『遺留分』のご相談なら【弁護士法人心】

遺留分に関する制度等に関するQ&A

遺留分を生前に放棄させることはできますか?

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年9月27日

1 遺留分と遺留分放棄

遺留分とは、一定の相続人が最低限受け取れる相続財産の持分的利益のことをいいます。

この遺留分を放棄することを遺留分放棄といいます。

遺留分は、遺留分権利者、つまり遺留分を有している相続人自身の権利であり、放棄するか否かは個人の自由だとも思えるのですが、実はそうではありません。

2 相続開始前の遺留分放棄

相続開始前に遺留分を放棄する場合には、裁判所の許可が必要となります。

相続開始前であれば、被相続人になり得る方や相続人になり得る方から、遺留分放棄をするよう強要されるおそれがあるためです。

例えば、親が事業をしていて、その親が長男を後継者に選び、すべての財産を長男に与えるとします。

その場合、次男には全く財産を与えないようにするため、親と長男が画策し、次男に対し遺留分の放棄をするよう事実上強制することなどが考えられます。

このようなことがないよう、裁判所には後見的役割が求められ、遺留分放棄をすべき事情があるのか、裁判所が事情を審査し、遺留分放棄の許可をするか判断します。

遺留分放棄の許可は、遺留分権利者の自由意思、遺留分放棄の合理性・必要性、遺留分放棄に対して経済的な見返りがあるのか、という事情を考慮して判断されます。

なお、遺留分放棄を許可した時から事情が著しく変化し、遺留分の放棄を許可することが著しく不合理である状態となれば、裁判所の許可が取り消されることもあるので、注意が必要です。

3 相続開始後の遺留分放棄

相続開始後の遺留分放棄は自由です。

また、裁判所の許可がなくとも可能です。

遺留分放棄の意思を表示することはもちろん、遺留分は遺留分権利者が請求しなければ発生しない権利なので、遺留分権利者が何も請求しなければ、遺留分の放棄と同じ結果となります。

4 遺留分放棄の効果

遺留分権利者が遺留分を放棄しても、他の遺留分権利者の遺留分が増加するわけではないことに注意が必要です。

単に、被相続人が放棄された遺留分に相当する財産を自由に、誰に引き継がせるかを決めることができるに過ぎません。

5 弁護士法人心にご相談ください

そもそも遺留分の放棄が生前にできるのか、遺留分放棄の許可を裁判所から得るためにどのような手続きが必要か、遺留分放棄の許可を裁判所から得るためにどのような書類を準備すべきか、分からない場合は、当法人の弁護士にご相談ください。

弁護士が、ご質問に対してできるだけ分かりやすくお答えしますので、分からないことはお気軽にお尋ねいただければと思います。

当法人では、相続案件を集中的に取扱う弁護士で「相続チーム」を作り対応しております。

遺留分についてお悩みの方は、当法人までご相談ください。

  • 電話相談へ
  • 選ばれる理由へ

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ