『遺留分』のご相談なら【弁護士法人心】

法定相続分と遺留分との違い

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2025年6月2日

1 法定相続分について

法定相続分とは、相続人が被相続人の財産を相続する場合の、民法上定められた各相続人の割合のことをいいます。

この法定相続分は、相続人の関係によって異なる割合となります。

例えば、相続人が、配偶者と子供の場合には、それぞれ2分の1ずつの法定相続分を持ちます。

相続人が配偶者と被相続人の直系尊属の場合、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1となります。

相続人が配偶者と被相続人の兄弟の場合には、配偶者が4分の3、兄弟が4分の1となります。

同順位の法定相続人が複数いる場合には、上記法定相続分を人数に応じて割ることになります。

例えば、相続人が配偶者と子供2人の場合、配偶者の法定相続分は2分の1、子供は2人いるので、子供の法定相続分はそれぞれ4分の1(子供の法定相続分2分の1×2分の1)となります。

参考リンク:国税庁・相続人の範囲と法定相続分

2 遺留分について

遺留分とは、贈与や遺贈等があった場合でも、相続人が相続から最低限受けられる利益のことをいいます。

遺留分の金額は、遺留分の基礎となる財産に、民法で定められた遺留分割合を乗じることで算定します。

ここでいう「遺留分の割合」には厳密にいうと2種類あります。

まず、遺産全体に占める遺留分の割合を指す「総体的遺留分」があります。

総体的遺留分は民法で定められており、直系尊属のみが相続人の場合には3分の1、それ以外の場合(相続人に配偶者や子供がいる場合)には2分の1となっています。

次に、上記総体的遺留分に相続人の法定相続分を乗じた「個別的遺留分」があります。

例えば、相続人が配偶者と子供2人の場合、それぞれの法定相続分は、配偶者が2分の1、子供は一人当たり4分の1となります。

相続人が配偶者と子供だけの場合、総体的遺留分は2分の1ですので、それぞれの個別的遺留分は以下のようになります。

配偶者:4分の1(総体的遺留分2分の1×法定相続分2分の1)

子供①:8分の1(総体的遺留分2分の1×法定相続分4分の1)

子供②:8分の1(総体的遺留分2分の1×法定相続分4分の1)

このように法定相続分と遺留分とは異なる概念です。

もっとも遺留分の計算の際に法定相続分が関係してきますので、遺留分を計算する際にも、それぞれの考え方を正確に理解しておく必要があります。

  • 電話相談へ
  • 選ばれる理由へ

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ